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【卒業生・在校生座談会】大卒者なら1~2年間で医療・福祉の資格取得・就職を実現できる。

実施日:2013年6月15日(土)
会場:大阪医専 総合校舎

本校には大卒者、あるいは大学・短大等に2年以上在籍した人などを対象とする学科があり、いずれも1~2年の短期間で国家試験受験資格が得られるという特長があります。
今回は臨床工学技士特科、言語聴覚学科、精神保健福祉学科の3学科の卒業生と在校生が、教官とともに、キャリアアップを決断した経緯や、その意義などを振り返りました。

<卒業生>

<在校生>

<教官>

人生を決めた1年間。

澤井今回集まっていただいたのは、1年間もしくは2年間という短期間で国家資格を取って専門職を手にした卒業生と、現在それを目指している在校生の方々です。まずは入学の経緯からうかがいましょう。

大下大学では心理学を学んでいました。臨床心理士になることも検討していたましたが、精神保健福祉士の仕事内容を知って、まさに自分のやりたい仕事だと感じました。心理カウンセラーのように限定的な関わりではなく、利用者さんの生活の場に入って支援できることが魅力でした。

鈴木言語聴覚士という職業への憧れから大阪医専に入学したのは私も同じです。学んだことを、目の前の人のために直接活かせるという点に強くひかれました。

粉川澤原さんは大学卒業後、一度就職していますね。

澤原はい。1年間一般事務の仕事をしていました。

粉川言語聴覚士を目指したきっかけは何ですか。

澤原実は東日本大震災に衝撃を受けたことなんです。就職活動を始めようと思っていたときに、あの震災が起こりました。そのときに私は、何か人の助けになる仕事をしようと考えたんです。そして、人との間を持つコミュニケーションをサポートできる言語聴覚士の仕事を知り、まさにこれだと決意しました。でも学費も貯めたいので、1年間働きました。その間、気持ちが変わらなければこの決意が本物だという考えもありました。

澤井白井さんはこの中では唯一、大学在学中に進路変更をして本校へ入学していますね。

白井大学の工学部で2年間学んだのち、臨床工学技士特科に入学しました。大学時代に医療系の職業に関心を持ったことがきっかけなのですが、工学部で学んだ知識も無駄にしたくなかった。それで臨床工学技士を目指しました。

山下臨床工学技士特科は、大学もしくは短大、高専で2年以上修業し指定の科目を履修していれば入学要件を満たします。仮に指定する科目を履修していなくても通信制の大学で単位を補うことができます。学生時代に学んだ科目を無駄にせず、医療系の国家資格に展開できるんです。

油谷僕は大学は工学部で、卒業後は電波関連の仕事に就きましたが、わずか1年間で自分の知識が医療に活かせる道があること知り、俄然やる気が出ました。

澤井臨床工学技士特科は1年間で国家試験受験資格が得られる学科です。スケジュール的には大変なのでしょうか。

山下前期は数学や解剖学などの講義と機器を使用した学内実習。9月から臨床実習で、戻ってからすぐに国家試験対策という流れです。確かに忙しいですが、カリキュラムも就職指導もしっかりしているので1年間でやり切ることができます。

油谷忙しくても、1年間で資格が取れるのはチャンスです。臨床工学技士はまだまだ不足していますし、自分もすぐに現場に出られるという夢をもてます。実際僕自身、大卒後すぐに働いていたときよりもずっと元気ですし(笑)。

精神保健福祉学科の昼間部も1年制です。私も絶対に1年で国家試験に合格するつもりで学んでいます。

澤井1~2年前まで普通の若者だった人が、医療や福祉の専門家に転身できる道がある。もっとたくさんの人に知ってほしいですね。

白井ええ。僕の場合、大阪医専の1年間が人生の大きなターニングポイントになりました。

患者さんの「ありがとう」に感激したことも。

澤井卒業生の皆さんは今、それぞれの仕事に従事されているわけですが、肝心の仕事の充実感はいかがですか。

大下僕は大学を卒業してすぐに大阪医専に入ったので、社会人1年目です。色んなことを勉強しないといけないので、今は結構苦労しています。でも、うまくいくときも、そうでないときも、利用者さんと分かち合える仕事だという実感はあります。

鈴木入職1年目の4月からすぐに患者さんを担当させてもらったのですが、当時はもう自己嫌悪の連続でした。患者さんや家族の方は退院するとき「先生ありがとう」と必ず言ってくださるのですが、こっちは内心「すみませんでした」と思っている(笑)。今でも知識的にはまだまだですけど、気持ちと気持ちのやり取りがうまくいって、患者さんもよくなるという経験をすることもあります。そういうときは充実感を覚えますし、患者さんからの「ありがとう」にジーンときます。

白井今、感じるのは責任の重さです。生命維持管理装置を扱うのですから、操作を間違ったり、表示を見逃したりすると患者さんの生命に関わります。それに医療機器は様々な部署で使われますから、院内で果たす役割も幅広い。これは生涯勉強だな、と痛感しているところです。

澤井ところでプロって何だと思う?

大下う~ん。精神保健福祉士は「相談・援助」を担うわけですが、そうした職域を越えていく力でしょうか。その意味でボランティアや精神障害に関する啓発活動にも取り組んでいきたいと思っています。

白井その職域に関して思うことがあります。「臨床工学技士法」には「医師の指示の下に生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う」と明記されていますが、これは医師の指示通りに動くという意味では決してない。言い換えると「医師の真意を汲んで」ではないでしょうか。透析などの医療機器は我々技士のほうが詳しいのですから、むしろ提案をするべきです。

山下医療現場ではお互いの強みを活かし、共有することが大切だと思います。

白井それも「チーム医療」の一つの姿だと思います。医師や看護師にきちんとした提案ができる職場の先輩はすごいと思うし、自分もそうなりたいですね。

鈴木私も職場の先輩から学ぶことは多いです。言語聴覚士は英語でスピーチ・セラピストと呼ばれるのですが、文字通り、治療しながら患者さんを癒せる先輩がいます。その方がいると患者さんの表情がパッと明るくなるんです。もちろん根底には治療ができるという信頼関係があるのでしょうが。

澤井皆さんなりに経験を積みながら考えているようですね。なぜプロについての質問をしたかというと、若手であっても、患者さんや利用者さんからみたら皆さんは先生です。だからプロとは何かという問いを常に立ててほしいわけです。学生によく言うことですが、素振りをしない野球選手はいません。皆さんにとっての素振りとは何か。このことは考え続けてくださいね。

行動しないことが一番のリスク。

油谷前職での反省は、プロとは何かといった職業観の形成以前に、会社の知名度や給料で仕事を選んでしまったことです。成果を実感しにくい仕事で、常に悶々としていました。会社の先輩に相談しても「まあ世の中そんなもんじゃないかな」という感じではっきりしない(笑)。

澤井そういう風に日々悶々としている人は結構多いと思いますよ。だって、就職活動で100社もエントリーする学生は内定を取りにいっているわけで、気の毒ですが、仕事の中身まで吟味する余裕はないでしょう。結果的に適職ならば幸運ですけど。

山下そういう状況の学生さんはつらいでしょうね。

私はまだ就職活動をしたことがありませんし、そこで悩む人の気持ちはわかりませんが、周りに就職浪人をしている人はいます。

鈴木その点、医療系の国家資格があれば強いですよ。私は希望の病院に早期に決まりましたから。

好きなことを仕事にできる人は現実的には少ないかもしれませんが、好きなことを仕事にしたいと強く思って行動することで現実へと近づく。そのためにも、常にアンテナは張っておくべきですね。

油谷その通りです。僕も臨床工学技士特科の存在を知ったことで、急に他人事ではなくなったのです。

白井大学から専門学校に進路変更するのは、やはり悩みましたよ。せっかく入学した大学なんだから今更やめられないという気持ちも一方にあって、医療系の夢をあきらめようと思ったこともありました。臨床工学技士特科があったから、あきらめずに済んだ。進路変更したことをまったく後悔していません。

大下医療や福祉には特殊な職業というイメージが付きまといます。でも、もっと簡単に考えていいと思うんです。興味さえ持てば、誰でも学ぶことができるという意味で。それと、大学時代に心理学を勉強していたと言いましたけど、これはあまり強調したくない点なんです。分野は関係ありません。精神保健福祉学科には人文系、社会科学系など様々な学部から集まっています。

澤原したいことがあっても、大学まで行かせてもらったのだから、まずは就職という意識が働くでしょうし、ましてや就職した後だと辞めるリスクを考えてしまいます。でも私は動かないことのほうがリスクだと思います。やりたいことがあるなら、まず動くことですね。

鈴木そう。私も「今しかない!」という気持ちでこの道を目指しました。

粉川一歩踏み出す。非常に重要なことです。

澤井踏み出す勇気ですね。体験入学に参加してみるとか、そういう小さなアクションでも起こすと起こさないではまるで違います。

勉強も「チーム医療」のようだった。

粉川入学したからには、1~2年の間に国家試験に合格するという結果を出さなければなりません。でも、同じ目標を持つクラスメートがいる。1人じゃないんです。

鈴木クラスメートの存在はとても支えになりました。いろんな背景の人がいて、私のクラスで最年長は55 歳の人でした。この人がものすごく優秀で。ともかく面白い人ばかりでした。

大下1年は短かったけど、1日1日が濃かったという印象です。間違いなく人生のターニングポイントになる1年でした。

白井1年で変われますよね。学科では毎月模試があるのですが、僕は当初最下位でして。

山下でも結果的に白井さんは、国家試験合格者の中でも結構上位の点数を取ったんですよ。

油谷点数アップの秘訣は何ですか?

白井効果的だったのはクラスメートとの勉強です。僕のいたクラスには看護学校や薬学部出身者など幅広い分野から学生が集まっていました。僕は工学部です。それぞれの得意分野を教え合うなどしていました。そこへ先生も入ってきて皆の疑問点を解決してくださったり。クラスで「チーム医療」をしていた感じでしたよ。

山下臨床工学技士特科は、看護学や薬学・工学を学んでいた人にとっても入りやすい学科です。あとは看護師、理学療法士、臨床検査技師などの有資格者がダブルライセンス取得のために入ってくるケースもあります。

粉川医療の仕事は、学んだ知識が人の命を救うことにつながる。命の隣にいる職業です。そうしたやりがいを自覚できれば、素晴らしい仕事だという実感がわいてくるはずです。

澤井今回話題になったのは1年制、2年制と就業年限の短い学科ですが、本校では、たとえ短期間でも絶対に外せない教育の核があります。人間性教育です。知識・技術はもちろん大切ですが、人間性という土台がなければ何も身につきません。そのことを忘れず、いずれはプロ中のプロと言われる人になってほしいと思います。