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同じ現場は1つもない。救急隊員として、すべての出動に全力をかけています。

救急・臨床工学分野

今回インタビューを行った井波さんは、職場体験で消防署へ行き、救急隊員に憧れを持った後、知人が不慮の事故にあう出来事があり、現場へ一番に到着する救急隊員の責任の重さを実感。これがきっかけで、救急救命士になる決意を固めました。

現在、夢をかなえ救急救命士となった井波さんに仕事の魅力を聞いてみました。

―この仕事の魅力・やりがい

私たち救急隊員がかけつける場所に、「同じ現場」は存在しません。10人の傷病者がいれば、10通りの病気やケガがあります。傷病者が助けを待つ場所も、部屋の中、道路、工事現場など、様々です。現場へ行くたび、臨機応変な判断と行動が求められ、さらに、その結果が、傷病者の命を左右することもあります。1日10件程度の出動がありますが、毎回気持ちを引き締め直して、現場へ向かっています。やりがいを感じるのは、お礼の言葉をいただくとき。以前、骨折で病院へ搬送した子供さんが、後日消防署へ来て、元気な姿で「お兄ちゃん、ありがとう」と笑ってくれた時は、本当に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

救急車で現場へ!運転を任されることもあります。

―学校で基礎をたたき込んでもらえたのは、本当に良かった

学生時代の授業で最も印象的だったのは、救急救命士としての礼節や規律について学ぶ『礼式』です。敬礼などの動作を厳しく指導され、当時は「どうしてこんなことを学ぶのだろう…」と戸惑ったことも。しかし、礼式は救急職員の基本的な姿勢です。学校でその基礎をたたき込んでもらえたのは、本当に良かったと思っています。大阪医専には現場経験の豊富な先生方が多く、元・救急隊員の先生には、実際の仕事について教えていただき、とても参考になりました。また、看護師や保健師だった先生からは、救急救命とは違う角度から医療について教えていただき、視野を広げるきっかけになりました。

車輛内を点検し、設備や機器が万全か確認します。

―今度は自分が先輩として後輩を支えていきたい。

救急隊員になったばかりの頃は、現場で思うように動くことができず、「自分は救急隊員に向いていないのでは…」と悩んだこともありました。でも、先輩方が温かく支えてくださったおかげで、いろいろな壁を乗り越えることができました。最近は、私にも後輩が増えてきて、今度は自分が先輩として後輩を支える番です。彼らが迷ったり困ったりしているときは、精いっぱい手助けしたいと思います。また、数年後には後輩たちをまとめる隊長になる可能性もあります。今は、隊長を務める先輩方の仕事をよく観察し、勉強させていただいています。何事にも冷静に対応できる隊長になれるよう、多くの経験を積んでいきたいです。